情報文化論:天下のコミュニケーション

受講生の皆さん、こんにちは。
今回(昨日)は、
1)前置きの話を少しだけしてから、
2)14世紀から18世紀までを舞台にして、メイン資料の「11天下のコミュニケーション」を敷衍(ふえん)しました。これまで以上に膨大な量の歴史的情報を、身近な茶碗の歴史とルーツ、そしてそこに潜む世界観・宇宙観に集約する形でこれ以上は不可能というところまで圧縮して語りましたが、皆さんよくついて来てくれたようで、身近な茶碗に対する開眼、東西のバロックの動向への関心、特に歌舞伎の起源や利休と織部の凄さ、宗教的コミュニケーションにかわる初期資本主義を背景とした市場的、劇場的、あるいはクラブ的、サロン的コミュニケーションへの興味、人間存在の特異性とコミュニケーションの本質等に関して、かなり深く噛み付いた文章を短時間の間に苦心して書いてくれた(情報編集した)人が多かったことに、非常に関心しました。
毎回のことですが、「11ルネッサンスバロック」「12日本の情報技術文化」「13市場と劇場」の三つのサブ資料全体と「notes」に一通り目を通して、時間内では触れることさえできなかった興味深いトピックや一般的な歴史的知識をチェックしておいてください。就活中の4年生諸君にとっては「一般常識試験」対策にも役立つ筈です。
ところで、レポート課題に関する補足説明をしておきます。課題の2に関して「情報編集」とは一体どういうことかという質問が多く寄せられています。先ず、6/27の記事への質問コメントに対する回答を参考にしてください。そこでは情報編集をやや図式的に情報の収集段階では「連想」を駆使し、情報の整理・処理段階では「要約」を心がけると書いてあります。それでもまだ分かりにくいという人は、こう考えてください。つまり、選んだテーマに関して、思いがけない「つながり」を発見して論述することです。あなたのレポートを読んだ人が、「へー、〜にはそんな『つながり』があったんだ。知らなかったよ」と感心するような「つながり」です。