私の廃品活用芸術活動

部屋を整理していた娘が出したゴミのなかに古いスパイラル・ノート(Spiral Notebooks, Wire-O Notebooks)が十冊くらいあった。コイル部分が針金やプラスチックなので、分別ゴミとして出すには紙の本体からコイルを外さなくてはならない。他にやることがあって忙しい娘の代わりに私が分解作業を行った。同じ針金のコイルでも一本を文字通り螺旋状に巻いてあるもの(単純スパイラル)と一本の針金が一見二本に見える凝った折り曲げ方をしているもの(複雑スパイラル)とがあり、またプラスティック製の単純スパイラルがひとつだけあった。複雑スパイラルはノート本体が外せる隙間があるので楽だが、単純スパイラルは、最初はリーフを少しずつ千切るように外していたが、時間がかかるので、針金の方をその端っこをペンチで引っ張ってズルズルと抜く方法に切り替えた。

表紙とリーフは燃えるゴミ、針金コイルは燃えないゴミ、プラスチックのコイルはリサイクルのゴミと分けて、さあ捨てようと思った時に、ちょっと待てよ、と思いとどまった。捨てようと思ってまとめて丸めようとしたコイルの感触と多彩さが、メカスの365日映画2月22日に登場したサラ・ジー(Sarah Sze)の作品群を連想させたのである。そこで、私は色とりどりのコイルを無造作に丸めたものに、先日拾ってきて、机上に放置したままの蔓の切れ端と完全に乾涸びたエゾノコリンゴを繋いだものをパソコンの本体の上に置いた。こういうことをすると家族には白い目で見られるが、私は結構満足している。今年初めてのアート活動である。しかも廃品一部活用芸術だ。悪くない。