Circus Mundus Absurdus:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、3月、78日目。


Day 78: Jonas Mekas

Monday March. 19th, 2007
5 min. 52 sec.

At the Tampere
Film Festival, Circus
Mundus Absurdus

challenges flesh.
Skip this one if your
senses are too
delicate.

タンペレ映画祭で
Circus Mundus Absurdusは
肉芸に挑戦する。
デリケートな方は
見ないほうがいい。

メカスが書いているように、心臓の弱い人は見ないほうがいいかもしれない。CMA(Circus Mundus Absurdus)、敢えて訳せば「不条理世界サーカス」は、その公式サイトの説明によれば、そもそもはアメリカのJim Rose Circusの1997-98年のフィンランドのツアーをきっかけに誕生したパフォーミング・アーツの分野で幅広く活動する六人の多芸なアーティストからなる集団である。彼らのコンセプトの核心は、領域横断的なボディ・アート不条理演劇的な余興パフォーマンスである。今日のフィルムでは極めてサディスティックな「肉芸」を披露している。赤い血の海のような特殊照明と大音量のロック・ミュージックの中、リーダーのDOCTOR Kが奇人サーカス集団の物語を叫ぶように歌う傍ら、奇抜なボディ・ペインティングを施したメンバーが己の肉体に鉄のフックを差して、引っ張り合ったり、天井から紐で吊り下がったりする。文字通り「痛い」舞台である。刺青どころか、肉を深く傷つけることによって生きて在ることの条理を不条理に表現しようとしていると言えるだろうか。CMAに関するウェブ上の日本語情報はない。ロシア語情報が目につく。フィンランドという国の奥深さを垣間みた気がした。