連想の暴走とメタ連想としての思考


昨日に続いて今朝も撮影した名を知らぬ花について、試みにGoogleで長いフレーズ「北海道で春に咲く小さな青い野の花」を入力してウェブ検索したら、2件ヒットしたが、共に花を同定するには役立たなかった。(ただ、1位のmahouは、日本のアニメとマンガを世界に普及させるために、日本語表記、特に漢字について詳しく解説までしているほどかなり気合いの入ったサイトで感心した。漢字の書き順に関してはフリーの漢字情報データベースであるAbout Takaに依っている。)

そこで、単語に分割して「北海道 春 小さな 青い 野の花」で検索したら、約18600件ヒットした。その内の1位「無名子のよしなしごと」にそのものズバリの花の写真と日本語名に関する詳しい説明があった。

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)
この花に出会うと、どんなに寒くても「春が来た!」と、いつも感じます。
私にとって、春の到来を知らせてくれる花、大好きな花です。

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢) ゴマノハグサ科クワガタソウ属
学名:Veronica persica Poir.
別名:オオイヌフグリ(大犬陰嚢)、オオハタケクワガタ(大畑鍬形)、
   ホシノナミダ(涙の星)、ブルースタールリカラクサ(瑠璃唐草)
   ヒョウタングサ(瓢箪草)、テンニンカラクサ(天人唐草)、
   ホシノヒトミ(星の瞳)、ハタケクワガタ(畑鍬形)
英名:Bird's-Eye、Cat's-Eye*1

明治初期に渡来した帰化植物で、イヌノフグリより花が大きい事から、「大きなイヌノフグリ」と名付けられた様です。
(中略)
イヌノフグリ絶滅危惧種、いまでは殆ど見られません、その結果、イヌノフグリオオイヌノフグリも混同されて使われているような気がします。

補足すると、「オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)」は「大きなイヌのキ**マ」ではなく、「大きなイヌノフグリ」という意味で、たしかに「イヌノフグリ」は果実の形がそっくりだから、「犬のキ**マ」なのだが、「オオイヌノフグリ」は「イヌノフグリ」の近縁種だからそう命名されたらしく、その果実の形は「それほど似ていない」という。*2

それにしても、明日から「あの花」を見る度に「オオイヌノフグリ」と心の中で唱えることになるのだろうが、その意味だけでなく、その音も「あの花」の可憐な姿とはあまりにギャップを感じるので、困ったものだ。

蛇足ながら、「連想」は思考の重要なファクターだが、少なくとも「イヌノフグリ」」や「オオイヌノフグリ」の場合には、果実の形に基づいた連想による命名が、その植物の花のイメージにそぐわないイメージを連想させてしまうことに、連想の暴走ということを感じた。連想すりゃいいというものでもないというか、連想自体を巧くコントロールする、メタ連想こそが思考なのではないかと思ってしまった。

*1:英語名に関しては一般名(common name)はPersian speedwellで、別名がBird's-Eye speedwellのようである。http://www.ipm.ucdavis.edu/PMG/WEEDS/persian_speedwell.html参照。

*2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%8C%E3%83%8E%E3%83%95%E3%82%B0%E3%83%AA参照。