ハクサンシャクナゲ、ドウダンツツジ、ヒイラギナンテン

札幌、曇り。風強し。雲の隙間から陽は射し明るい。

藻岩山から吹き下ろす風は冷たい。

多くの庭で裏に巻き込んだ細長い葉をよく目にする木の花が咲いていた。ハクサンシャクナゲ(白山石楠花)。別名エゾシャクナゲ蝦夷石楠花)。「別名」ってやつがややこしい。

いつも通る道からちょっと外れた道に面した「バリアフリーの」庭に、白い小さな釣り鐘状の花を沢山つけた低木を見つけた。ドウダンツツジ。漢字では灯台躑躅と書く。漢名から満天星躑躅とも書く。中国人は白い花が咲きほころぶさまを満天の星に見立てたという。学名Enkianthus perulatusのEnkianthus、エンキアンサスはギリシア語で「妊娠する花」、「膨らんだ花」を意味するらしい。花の形に着目した命名だ。

私が散歩でめぐる界隈には、お気に入りの廃屋の廃庭が二カ所ある。主人を失って放置されたままの家と庭はなんとも言えない気分にさせる。その内の一軒の家の主人を私はよく覚えている。言葉を交わしたこともある。毎日庭の手入れをしている方だった。しかし、その方が亡くなってから、色んな事情が重なって、今や庭は見るも無惨なゴミ捨て場の様相を呈している。しかし、毎朝その前を通る度に、こんな花が木が植えられていたのかと何かしら発見がある。

これは他の木々の隙間からわずかに見えた小さな黄色い花。葉は固く艶があり尖っていた。ヒイラギナンテン。ヒイラギ(柊)でも、ナンテン南天)でもないところが面白い命名だ。ヒイラギ(柊)のような葉で、ナンテン南天)のような実を付けることから、そう命名されたらしい。メギ科のヒイラギナンテン属で、学名はMhonia japonica。

毎朝チェックしているオダマキ苧環)。また少し開いていた。