札幌、曇り。湿った風が吹く。
藻岩山。
赤、ピンク、白のタチアオイ(立葵)が目につく一角に続いて、ノラニンジン(野良人参, Wild Carrot, Daucus carota)が咲き誇る道端がある。花が散った後の色んな造形の方に目が留る。これはなぜか中央が窪んでいる。雨水が溜まりそうだ。球形に近いものもある。極小の種子の集合体のようだ。
カボチャ畑で一匹の小型の綺麗なブルーの蝶を見る。カボチャの葉にとまったところをズーム撮影した。閉じた羽の模様からゴマシジミ(胡麻小灰蝶, Maculinea teleius)と同定した。胡麻を散らした中に「へ」の字が見える紋様が特徴的だ。絶滅危惧類に指定されているらしい。
7月12日に、"unk-f-v"(藤色の未確認の花)と記録した直後に、mmpoloさんからのコメントで、ナス科のヨウシュチョウセンアサガオ(洋種朝鮮朝顔, Datura tatula)と判明した。「チョウセン(朝鮮)」は朝鮮半島由来という意味ではなく、古来海外から渡来したもには「チョウセン」とつける慣習による。原産地は熱帯であることは間違いなさそうだが、諸説あるようだ。ヨウシュチョウセンアサガオは別名を「フジイロマンダラゲ(藤色曼陀羅華)」という。『北海道の植物---野の花(下)』(北海道新聞社)によれば、民間栽培は禁止されている(231頁)。チョウセンアサガオの仲間はヒガンバナ(彼岸花, Lycoris radiata var. radiata, 別名:曼珠沙華)と並んで、いくつかの観点から興味深い植物である。
あちらこちらでオダマキ(苧環, Aquilegia flabellata)の莢はとうとう先端が開き、中に沢山の黒い種子が見えた。
主人(あるじ)を失って、どんどん野生化しつつある、荒れ放題のお気に入りのある庭で、え?と思ってよく見たら、ユリ(Lily)にアサガオ(Morning Glory)が巻き付いていた。
あるお宅の庭でハクサンシャクナゲ(白山石楠花, Rhododendron brachycarpum)の葉がなぜか一枚だけ枝の部分から変色していた。病気だろうか。