looking back on all days of August:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、8月、243日目。


Day 243: Jonas Mekas
Friday, August 31st, 2007

day-by-day
notes on all days
of August --

8月の全日の
覚え書きを
日ごとに

例のごとく、毎日のフィルムにタイトルの代わりにつけられた短い言葉の説明(覚え書き)が、今月はそれぞれに相応しいピアノ曲を伴奏に、約10秒ずつスライドショーされる。私も例のごとく、勝手につけたタイトルを一ヶ月分並べて振り返っておくことにする。

08-30 midnight singing Brooklyn Music of Love
08-29 Navigating the Imagination
08-28 what kind of wild strawberries?
08-27 Camera 90°CW
08-26 meeting jumbon in Paris, again
08-25 Life is serious, life is fun
08-24 世界にはまだ歌が生きている場所がある、南仏Antibes
08-23 mother’s soup
08-22 a glimpse of Paris
08-21 A performance of musical comedy
08-20 Revisit to NGC6093 by Hiro Yamagata
08-19 Thought of Preservation, or good old friends in Red Hook
08-18 保存の思想(The Thought of Preservation), Sebastian plays Kabalevsky
08-17 The River of Memory, Gozo Yoshimasu
08-16 Language of Cinema
08-15 old and new battles for essential cinema
08-14 Mekas leaves Japan @August 10th
08-13 Mekas in Japan @August 3rd
08-12 Mekas in Japan @August 2nd
08-11 A Fragment of an Unfinished Biography of Lee Radziwill
08-10 So narrow street in Napoli
08-09 What’s the joke?
08-08 following Buson’s Elegy
08-07 Stammersdorf Vineyard near Vienna
08-06 Capri again, reacting to Marchand’s images of the bloody sirene
08-05 Virginie Marchand, Jonas Mekas and Kazuo Ohno
08-04 blue sky, green sea, and yellow submarine
08-03 Go away! I don’t like you.
08-02 Jonas in a hammock
08-01 reincarnation?

今月も多彩だった。そのなかで日本関係の「鞘(pod)」が印象的だった。大野一雄(08-05)、吉増剛造(08-17)、そして日本滞在(08-12, 08-13)。さらに今月も毎日試行錯誤していることが窺えた(08-25 Life is serious, life is fun)。私の故郷は映画である、私の故郷は文化である、などと断言しもするメカスはナム・ジュン・パイク(Nam June Paik, (1932-2006))に劣らぬ定住遊牧民(a stationary nomad)である。メカスが、私の故郷は地球である、と言っても不思議ではない。大げさに響くかもしれないが、宇宙人の眼を持つ人だ。

そう強く感じたのは、日本滞在の二日間の異常な映像だった。同じ宿泊先の部屋の窓から早朝の鳥のさえずりと雨が降る様子だけを撮り続けていた。そこに普通の見方では「日本的」なるものは電線くらいしか写っていなかった。覚え書き(note)がなければ、それが日本滞在の記録だとは見抜けなかったかもしれないほど「普通」ではなかった。でも、何度も見ていると、それは紛れもなく日本なのだった。こういうふうに、まるで日本人が日々無意識に見ているものを意識的に正確に見ることができることは凄いことだ。例えば逆に私はメカスの住むブルックリンに滞在して、同じようなことができるかと言えば、出来ないに違いない。私はきっと、いかにもブルックリンらしいところを記録して自慢げに誰かに伝えるに違いない。未熟だ。