我が町内のコモンズあるいはパブリック・ドメイン

札幌、曇り。湿度やや高し。今朝は風太郎の強い要望(理由は私の理解を越え、不明。)で、いつものルートをほぼ逆回りした。しばらくぶりに通る小道もあった。あるお宅の庭ではヨウシュチョウセンアサガオ2株が丈1.5メートルくらいにまで生長していた。

別のお宅の庭にニワフジ(庭藤, Indigofera decora form. alba)の白花を見かける。

藻岩中学校裏門横のプラタナスの木陰から藻岩山を望む。

久しぶりに立ち寄った空き地の隅っこにぽつんと立つ主幹がなく放射状に広がって見える樹。

近寄ってみたら、カシグルミ(樫胡桃, Persian Walnut, Juglans regia var. orientis)、別名テウチグルミ(手打胡桃)だった。核が手でたやすく割れることに由来する別名らしい。

久しぶりに立ち寄ったやまばと公園では、プラタナスの傍に、たくさん果実をつけている低木があった。ところが、本体が枯れかかっているように見えた。病気だろうか。

ヒメリンゴ (姫林檎, Chinese crab apple, Malus prunifolia or Malus×cerasifera)だった。別名イヌリンゴ (犬林檎)。

やまばと公園は面積はたんぽぽ公園と同じくらいだが、造園上のコンセプトは全く違う。樹木は大きなプラタナスが4本と、上の枯れかけたヒメリンゴだけ。水飲み場と砂場があるだけで、遊具はない(記憶にない)。「やまばと」という命名はおそらくそのあたりは実際にヤマバトが飛来することに由来するのだろう。

こういう意図しない造形が私の中では、嬉しい「(戦う)アート」だったりする。これは町内の隣の斑(!)のネットだけのごみステーション。カラス除けに工夫された黄色の「すずらんテープ」による労作。ちなみに、「直子の教えてランド」によれば、「(伊藤忠サンプラス株式会社の方のお話)すずらんテープ というのは商品名なんです。ですから、あのようなビニールテープ全てを、スズランテープと呼ぶのは、本当は間違いなんです。スズランテープは、伊藤忠サンプラスという会社が、昭和37年に札幌工場で生産を始めたんです。名前の由来は、もともと、この会社の商品には花の名前を付けることが多くて、その一環で、すずらんテープの名前がつけられたそうです。以後、他の会社の似たような商品も「スズランテープ」と呼ばれるようになったんです。これは、名前を付けた時の事情を知っている社員のかたがいないので、 推測になってしまうということでしたが、すずらんテープは、札幌が発祥の地ということもあって、市の花、すずらんの名前を付けたのかもしれません、とおっしゃっていました。(ちなみに市の花がすずらんに決まったのは、昭和35年です)」。なるほど、知らなかった。実は昨夕、町内のあるご婦人がごみステーションの前にしゃがみ込んで、短い黄色の紐のようなものをネットに結んでいる姿を私は車窓から見かけていたのだった。しかしその時はまさかこんな「作品」になるとは予想だにしなかった。何時間かかったことか。拍手。生活を支えるダークサイドを直視し、色んな住人との間の葛藤を乗り越え、カラスとの共存のぎりぎりの線を模索し、しかも「ウツクシイ」線も狙った作品。ネーミングしようとしたが、いい名前が浮かばなかった。「黄色い鈴蘭」じゃなあ…。

町内には私が密かに「コモンズcommons」とか「パブリック・ドメインpublic domains」と呼ぶスポットが数カ所あって、そういう場所には人の管理をすり抜けるようにして植物たちがオープンにフリーに生長している。今朝そんなある場所でときどき生長具合を観察してきたヤマブドウ(山葡萄, Crimson glory vine, Vitis coignetiae)の実が熟しているのに気づいた。美しい。

一房頂戴して、記念撮影してから、物凄く酸っぱい、でも野生の葡萄の味を堪能した。その味は私にとって夏の終り、秋の始まりを告げる味だった。