軟石の家

石山地区をちょっと歩いただけで、半世紀以上前の軟石の建物や蔵や塀をいくつも見ることができる。先日「穴の川」を歩いたときに、ついでにいくつか目にとまった建物を撮影した。そのなかで一番驚いたのは、旧銭湯の建物だった。

初めは建物正面に左右対称に二つの全く同じ木製の古風な扉があって、目をひいた。

不図上を見ると、かつての銭湯の名がうっすらと残っていた。

ファサード全体。

それから、軟石の石塀で囲まれた雑草が生い茂るやたら広い土地にぽつんと建つ軟石造りの蔵が印象的だった。廃業した質屋の建物も残っていた。そちらは軟石造りではなかったが。蔵の背後、一番遠くに映るのは、軟石採掘跡が露出した山である。

軟石採掘最盛期には石山の町はずいぶんと賑わっていたらしい。銭湯も蔵も往時の面影だ。