How to cope with a pile of mail:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、9月29日、272日目。


Day 272: Jonas Mekas
Saturday, September 29th, 2007
4:14 min.

about Godard,
too much mail, and
what I learned
from Goethe ---

ゴダール(1930-)について、
大量の手紙、そして
ゲーテ(1749-1832)から
学んだこと…

アンソロジーのオフィスで旧友たちとテーブルを囲み雑談するメカス。ゴダールの話題から、メカスはゴダールとの因縁、そして大量の手紙やファックスなどの処置に困っていることを打ち明ける。その部屋の隅に山となってある手紙を指差しながら、どうしたもんかとメカスは言う。目を通している時間がない、と。「ゴダールには秘書がいるかもしれないが、私には秘書なんていない。どう思う。ゴダールを責めることはできない。」

「ギョエテ、ゲーテ、ドイツの詩人、ファウストを書いた、あのゲーテからいいことを学んだんだ。たぶん1799年か1801年、200年前にこう言ったんだ。当時彼は大量の新聞を読むのに毎日多くの時間を費やすのに嫌気がさして、だって、90パーセントは屑みたいなもんだろう。それで結局、全部積み重ねておいて、一ヶ月に一度だけ読むようにしたとさ。私もそうすることにしたんだ。せいぜい一月に一度目を通すことにね。99パーセントは屑だから。」

***

  • ゴダールに関してメカスが書いた文章(邦訳)の抜粋:

「メカスのゴダール論」

  • フライによるメカスへのインタビュー記事:

“Me, I Just Film My Life”: An Interview with Jonas Mekas, by Brian L. Frye
これは日付が見当たらないが、ブルックリンのグリーンポイントのメカスの自宅でのインタビューであるから、最近のものである。その中で、政治的立場に関するゴダールとの違いについてメカスは次のように語っている。

I’m not a political sort of person ? certainly not in the way politics are understood today. My idea of politics is very different. The ‘politicians’ I like are John Cage, Buckminster Fuller and maybe George Maciunas and those of the Beat Generation, those who changed humanity in a more subtle way. They change the style of life and everything is positive; nothing is negative. All those who support the political systems and movements and politicians end up very negative and the results are negative. Gandhi was maybe one who was a chance for the positive. But the main political movements end up in horror, as we well know. That’s why I am critical of Godard. He sided himself with the wrong political movements, the wrong politicians. And that’s why I keep inserting in my films, especially in As I Was Moving Ahead, that it is a political film. I consider that what I am proposing, what I am showing, is a different way, a different option, and that is beauty and being positive.

メカスの「政治」理解は一風変わっている。彼が好きな「政治家」はビート世代のアーティストたち、ケージやフラーやマチューナスで、つまり人間性(humanity)をある捉え難い方法で変えた人物たちである。世界から否定的な要素を排し、すべてが肯定的になるように自ら生き方(the style of life)を変革する者こそが本当の「政治家」であるというわけだ。それに対して現行の政治システムや政治運動や政治家たちは最後には否定的な結果に終わる。ガンジーはおそらく肯定的な世界へのチャンスだったのかもしれなかったが、政治的な主流は周知のように恐怖に終わった。それがメカスがゴダールに批判的な理由である。ゴダールは間違った政治的運動、間違った政治家の側に立ったとメカスは見る。メカス自身は、だから自作映画の中では、特に政治的映画であることを自認する自作As I Was Moving Aheadにおいても、ゴダールとは違ったやり方で、つまり美しく肯定的な選択肢を挿入し続けるのだという。