ローレンツ追悼

受講生の皆さん、第二回の講義で紹介したカオス理論の創始者の一人エドワード・ローレンツ(Edward Norton Lorenz, 1917–2008)が16日に亡くなったことを英国のハダスフィールド大学の図書館で働くデイヴのブログで今日知りました。

冥福を祈ります。「RIP」とは、「安らかに眠られんことを」( 英語ではMay he(she) rest in peace! )を意味するラテン語「Requiescat in pace」の頭文字をとったもので、墓碑に刻まれることがあります。

「カオスから秩序へ」の文脈で参照したあの美しいローレンツ・アトラクターを覚えていますか。

デイヴが書いているように、ローレンツの1972年の講演の詩的とさえいえるタイトルは余りに有名です。

"Predictability: Does the Flap of a Butterfly's Wings in Brazil Set Off a Tornado in Texas?"

予測可能性:ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?

このカオス理論を端的に表現した思考実験「バタフライ効果(Butterfly effect)」を題材にした映画『バタフライ・エフェクト』(2004年)は観ましたか。


http://www.butterflyeffect.jp/

また、詩人の吉増剛造がこのバタフライ効果を彷彿とさせる行を書いています。

私たちは蝶のように宇宙を揺らすということがあった
(『死の舟』asin:4879952702、77頁)

科学と詩は深いところで通底しあっているのですね。