久しぶりに、従来の散歩フルコースを歩く。風太郎の体調に配慮して昨日までは近道していたのだった。この時期は5月ほどではないにしても一週間も経つと、世界は大きく変っていて驚く。いつの間にかタチアオイが咲き、見知らぬ薔薇が咲き乱れ、ダチュラは元気よく茎を伸ばし葉を出し始め、ノイバラは臙脂色の果実(エイジツ)を沢山つけていた。イモの花も咲いていた。気に入っていたボケの木が一本伐採されて無くなっていたりもした。
サフラン公園では入り口のシナノキ(科の木, Japanese Linden, Tilia japonica)の下にしばらく佇み、幹に手を触れ撫でていた。公園に隣接したトウモロコシ畑では野菜と果物の直売所がオープンしていた。トウモロコシたちももう1メートルくらいに生長していて驚いた。朝陽を浴び、爽やかな初夏の風に長い葉を踊らせていた。美しいというだけではなく、何故か非常に喜ばしい。思わず、トウモロコシたちが光と風に踊る様子をビデオ撮影した。
ああ、ここには忘れてはならない「すべて」があると感じた。太陽の光、風、深く耕された土、そして人間の、Sさんの「常軌を逸した配慮」...