セイシェルゾウガメと動物学者ジャスティン・ガーラック

シュッポロの準備でばたばたしている頃、偶然にある興味深い深夜番組を見た。

絶滅寸前のセイシェルゾウガメ写真)で有名なインド洋に浮かぶセイシェル諸島の種と環境を調査、研究、保護することを目的とする生物学者たちからなる非営利、非政府組織NPTS(Nature Protection Trust of Seychelles)の活動に取材したドキュメンタリー番組だった。セイシェル諸島のなかのシルエット島(Silhouette Island, 写真)がNPTSの拠点である。

[
NPTS(Nature Protection Trust of Seychelles)の公式サイトhttp://members.aol.com/jstgerlach/index.htm#NPTS

そのなかで英国出身の動物学者ジャスティン・ガーラック(Justin Gerlach)が、推定250歳を超える一匹のセイシェル・ゾウガメを愛おしそうに撫でながら語る言葉に思わず引き込まれた。正確な言葉は思い出せないが、だいたいこんな内容のことを彼は語っていた。

ゾウガメは人間がなかなかそれに焦点を合わせることのできない長いスパンの時の流れを生きてきた、生きている。ゾウガメはそんな人類が置き去りにして来た宝物のような時の記録、記憶そのもののような存在、種である。しかしそれが今や二度と取り返しのつかない形で消えようとしている。もっとも、数百年後、あるいはもっと近い将来に、われわれ人間も絶滅しているかもしれないけどね。

ガーラックはセイシェルゾウガメと同じような愁いを帯びた深く澄んだ目をしていたのが非常に印象的だった。