かけがえのない死

誕生と同じように死もまたありふれたことだ、と言ったのは誰だったろうか。しかし、誕生を「出会い」、死を「別れ」というふうに、自分にとっての具体的な体験として読み替えた途端に、誕生も死もありふれたことだとは言えなくなる。そして永遠の別れとも言われる愛する者の死の体験は、思い出という時空を超えた場所での出会いを準備する。私はどこかで死をそれとしては認めたくない。ありふれた死などありえない。どんな死も、それを語る以上、かけがえのない死として、認めたくない死として、決して埋められることのない穴として抱え込むのが筋のような気がする。もちろん、思い出の中だけに生きるわけにはいかない以上、かけがえのない死を段階的に徐々にありふれた死へと一般化するしかないのだろう。下川さんがそれこそ時空を超えて反応してくださったように、

http://d.hatena.ne.jp/Emmaus/20090208/1234100688

今日は、別れの1つの区切りの日だったのかもしれない。