T's Gallery Vol.3:波斯菊

「変梃林(へんてこりん)」(id:future-humanさんによる命名)あるいは「偉人館(いじんかん)」(私の命名)の異名を持つ「T's Gallery」こと、武田さんちの駐車スペース入口のコンクリートの割れ目から生えているハルシャギク(波斯菊, Golden tickseed, Coreopsis tinctoria)。倒れないように茎を束ねて紐で丁寧に蝶結びしている。大切にしていることが窺える。そしてその根本には何気なく石ころが二個置かれている。オブジェ化の意図がはっきりと読める。ハルシャギクのハルシャはペルシャのことだが、原産地は北米だという。なぜハルシャなのかは不明。別名はジャノメソウ(蛇目草)またはクジャクソウ(孔雀草)。花言葉は一目惚れ、陽気、上機嫌。武田さんにぴったりだ。武田さんは黄色が好きなのだ。車もVWの黄色。黄色のペンキを塗ったオブジェが T's Gallery 全体のチャームポイントのごとく要所要所に置かれているのを私は見逃さなかった。そのなかでもこの生きたオブジェとしての黄色いハルシャギクはいずれ枯れてしまうという儚さ、哀れさの故に、より一層花言葉に見られる黄色であることの意味を、「いつかどこか」とか「ここではないどこか」なんかではなく、あくまで「今ここ」を(で)楽しむことの至上の価値を強烈にアピールしていた。


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