教室では神が骰子を振る:176人との対話


かつて、教室には魔物が住む、と書いた記憶があるが、それと紙一重の感覚として、教室には神が降りる、と感じることがたまあにある。教室で教えることを生業とする者の職業病みたいなものかもしれないし、所詮、すべては私の意識、下意識(前意識)、無意識のなせる業なのかもしれないが、いや、そこには176人のそれらとの関係を通じて、「私たちの」と言っても許される根源的な共有の場みたいなところで起こる現象なのかもしれない。先週のある日176人の学生と共にした時間の中である教室に神が降りた、と感じた。祝祭の予感、と言ってもいいかもしれない。さて、これから彼らと「世界の土台はどのように置かれているか」を見ることになるのだが、それ以上に、「私たちの出生の時は今であり、その生命の春は今にほかならない」という「注目に値する真実」、あるいは「人類の唯一の事実」を確認し合えればいいなあ、と思っています。