論理学概論

教室では神が骰子を振る:176人との対話

かつて、教室には魔物が住む、と書いた記憶があるが、それと紙一重の感覚として、教室には神が降りる、と感じることがたまあにある。教室で教えることを生業とする者の職業病みたいなものかもしれないし、所詮、すべては私の意識、下意識(前意識)、無意識…

体を左右に/軽く揺らすとよい

前略。僕らが一番頭に来るのは、上から目線で、あるいは権威を笠に着て、「……はよい/悪い」といった価値判断や「……をすべき/すべきではない/する必要はない」といった規範に関する主張を平気でする輩の無神経さですね。そんなこと言って、三上先生こそ、…

フトコロをふか〜く

前略。自分が知らず知らずのうちに囚われている価値や規範、容易には言葉にすることはできないことも多い暗黙の前提(これは今回の重要なポイントになります)が、論理的であるべき議論の現場でも濃厚な影を落とすということは日常茶飯事です。前回、みなさ…

Why?

前略。議論の構造の基本形は頭に入りましたか。 議論の基本は、必要に応じて解説や根拠を伴った主張を、付加か転換の形でつなげていくこと、ここにある。 (野矢茂樹『新版 論理トレーニング』48頁) ここで、「解説」とは当の主張の意味がよく分からない場…

「むしろ」の論理

前略。前回、皆さんが一番迷った「課題問題2 問4」の問題文の終盤に登場する「むしろ」について補足説明をしておきます。すでに学んだように、「むしろ」は「付加」という接続関係を表わす表現に分類されます。その実際の用法について、野矢茂樹さんはこう…

言葉のエコ?!

前略。様々な接続表現、指示表現の裏ではたらく6つの基本的な接続関係(解説・根拠・例示・付加・転換・補足)を強く意識しながら、読み(聞き)、そして書く(話す)ということを心がけるトレーニングも、そろそろ第二段階に近づきつつあります。最終的に…

モグラは立派な動物である!

論理学概論受講生のみなさん、こんばんは。今日の授業でみなさんが一番迷った「しかし」が適切か「ただし」が適切かという接続表現の選択問題に関する補足説明プラスαです。「しかし」は前の主張に対立する主張が後に続く場合に用いられ、「ただし」は前の主…

スロー・リーディング

前略。論理的に読む力をつけるためには、接続関係に注意しながら議論を読むトレーニングを積む必要がありますが、そのポイントについて野矢茂樹さんはこう書いています。 ポイントは速く読むことにはない。むしろまったく逆で、いかにゆっくり読むかである。…

論理的表現の領域

論理学概論受講生のみなさん、こんばんは。元気ですか?私は元気です。前回はオリエンテーションということで、この講義の概要、雰囲気、そして講義以前の「大学生やっていることの深ーい意味」についてお話ししました。覚えていますか。そう、大学に入った…

論理トレーニング

まだ見ぬ論理学概論受講生のみなさん、今晩は。 明日からいよいよ講義がスタートします。楽しみですね。 私は楽しみです。 論理力がめきめきと上達する快感を一緒に味わいましょう。まずは講義案内代わりの引用から(詳しくはシラバスを見てね)。 「論理」…