山鼻



藻岩山の端(はな)、東側に突き出た先、の一帯は「山鼻(やまはな)」と呼ばれる。その鼻に沿って国道230号線(石山通)が走り、その外側を豊平川が流れる。

山鼻 やまはな

 札幌市街地の南西部、藻岩山に近い部分の名。山鼻屯田兵を置いた処である。永田地名解は「ユク・ニクリ。鹿・林。直訳鹿樹影なり。鹿群来りて樹影に集まる故に名く。明治七年山鼻村を置く」と書いた。yuk-nikur「鹿の(来る)・林」の意だったろうか。古老に聞くと鹿の通り道のような処で、畑が荒らされて困ったので、木柵を回して鹿囲というものを作ってその害を防いだりしたのだという。

  山田秀三『北海道の地名』北海道新聞社、1984年、33頁


現在でも稀に鹿が山を下りて国道に現れることがあるが、山の端にはかつての木柵の代わりに高い鉄柵が部分的に設置されている。