ネガの断片


古いネガを整理していたら、何も写っていない断片が出て来た。それだけ抜き出してテーブルの上に放っておいたら、いつの間にか捩じれながら反っていた。ネガがもう少し長ければ、メビウスの帯を作りたかったと思いながら、そのいい感じに捩じれて反ったネガの断片の写真を撮っておいた。後からその写真をしばらく眺めていると反転図形のように捻れと反りの向きが切り替わることに気づいた。面白い。これだけ単純な形態の被写体になると、三次元的な解釈の余地が少なくなって、エッジの曲線と陰影だけを見ることになるから、図形を見ているのと近い状態になるのだろう。反転図形とは呼べないが、反転写真とでも呼んでおこう。