手の会話


北斗七星(Big Dipper)と北極星(Pole star )


久しぶりに会った顔見知りの老婦人はとうとう言葉を失っていた。声を失っていた。だが、声の代わりに右手がすうーっと伸びてきて私のあご髭に優しく触れた。「大分伸びたわね。ちゃんと剃りなさい」という声が聞こえた気がして、「はい」と答えた。すると、老婦人は今度はその右手で私の左手を取って握りしめた。握り返した。