今時の学生さんはユニクロではあまり買い物をしないようです。我が娘もそうで、ユニクロ並みの値段かそれ以下の値段の品物をどこからか探し出して買っています。もし私が金のない二十歳の学生だったなら、ユニクロは敬遠するかもしれないなぁ。でも、現在の私はユニクロが好きです。というのも、あの店員さんたちのきびきびした動きや適度に抑制された品のよい対応が好ましいからです。アメリカのスーパーやデパートで経験した機智にとんだ新鮮なアドリブ対応とまでは行きませんが、少なくともマニュアルを彷彿とさせるオウムのような決まり文句しか口から出てこない店員さんしかいない店や強気の過剰な接客が使命のような店員さんばかりの店に閉口してしまう私にはユニクロの雰囲気はかなり好ましいのです。
が、この中年の体と風情にフィットするデザインや色使いのモノはなかなかないのが難点で、週末に出かけては店内を何周も物色しては何も買わずに帰るということを繰り返していました。ところがある時、そもそもリーズナブルな値段の品揃えの中で、シーズン外れの破格のセール品が存在していることに気づき、その中から私でも比較的違和感なく身につけられそうなモノを掘り出すことにささやかな喜びを感じるようになりました。
実は今日も家内を誘ってユニクロに出かけました。Tシャツの一枚でも買いたかったのですが、どれもピンと来ない。そこでセール品を物色していると、私には綺麗すぎて似合わない色彩のシャツに埋もれるようにしてシーズン外れの白い綿の長袖のシャツが「私を買って」という信号を発していたのでした。定価三千円弱が千円。私は刹那に買う決心をしました。こんなことを書くと、学生さんに「それはあのユニクロですか(笑い)」と声を掛けられそうですが、全然構いません。モノそのもにではなく、それと出会い、それを選んだこと自体に「価値」があると思うからです。放っとけば、俺が選んだことでユニクロの株が上がる、とさえ思い込みかねない私がいます。家ではそんなことを口にすれば、馬鹿じゃないの、と言われるのが落ちなんですが、まんざら冗談でもないのです。やっぱり少しおかしいのかな。
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このブログの使い方で、今までの無節操な「カテゴリー」の付け方を反省して、方針を固めました。遅すぎる!