巣壺は「小鳥のお家(Bird House)」だった

今朝の散歩で縄製の巣壺が百均ショップで売っていることを知った私は、夕方家人の食材の買い出しに付き合いがてら近所にある「ソシア」と呼ばれる生協大型店の二階に入っているショップに探しに出かけた。その百均ショップは「キャン・ドゥー」ではなく「ダイソー」だった。店舗一番奥の自然素材製品コーナーにそれはあった。「小鳥のお家」という商品名だった。

手に取って品定めをした。「穴が小さすぎる」が第一印象だった。試しに穴から指を入れてみたが、内部の縄の繊維がたくさん飛び出していてひっかかるのも気になった。また、安定した足場がないことも気になった。迷った末に、結局今日のところは購入を控えた。帰宅後巣箱の基本を調べてみた。専門家によれば、小鳥用の巣箱の穴の直径は、30mm以上あるとスズメに乗っ取られるリスクが高まるため、27mm-28mmが理想的ということなので、穴は小さすぎることはないことが分かった。足場に関しては、穴の縁が足場になるので、問題ないようだった。しかし、吊り下げるだけの不安定な固定法は、実用的な巣箱としては失格のようだ。特別な足場はなくともよいが、巣壺のどこかの部分が安定した足場にならなければ、小鳥も近付かないだろう。したがって、「小鳥のお家」は小鳥の家としての最低限の実用性が考慮されていない、と結論せざるをない。

しかしながら、素材と造形にはなかなか捨てがたい魅力があるので、今朝のエントリーで紹介したご主人のように「巣壺的オブジェ」として見立て直す気持ちはよく分かる。ただ、少し工夫すれば、その魅力を実用としても活かすことは不可能ではないと私は思った。要するに、ぶらぶらしないように固定できて、出入りのための足場が確保できれば、いいわけだ。しかし、この巣壷は吊り下がった状態、可能なかぎり宙に浮いているような状態がその魅力の重要なファクターなので、その状態を保ったまま、小鳥が留っても揺れ動かないように固定する方法を考案しなければならない。これが意外と難しい。まだ、よい方法が思いつかない。

ところで、久しぶりに生協に行った私は家人の目を盗んで、食材コーナーを物色しているうちに、目についた「帆立だし」を手に取っていた。

「本格海鮮中華だし/国産帆立干し貝柱使用/干し貝柱の豊かな香りとうまみ」というキャッチフレーズにだまされてみたかった。178円也。
そればかりか、素見しのつもりでお酒コーナーを物色しているうちに、セール品が雑然と置かれた箱を見つけて、その中から可愛らしい形の瓶詰めの秋田の北鹿を手に取っていた。

安定した熟成を実現する十和田湖畔で行われる「雪中貯蔵」を売りにした「フレッシュなまま封じ込めたすばらしい味と香りに仕上がっております」というキャッチフレーズに騙されてみたかった。定価1500円のところ900円也。