花道、ノスタルジア

見えるものが増えれば増えるほど強くなる感覚は、「世界を抱きしめたくなる」(美崎薫)ような感覚である。そこにはなぜかどこか、あのタルコフスキーの映画『ノスタルジア』に感じられるようなノスタルジーが漂う。下のような枯れて醜悪に見えるかもしれない植物の写真を掲載することに躊躇が全くないわけではないが、でも、どうしようもない愛着を私はそこに写っている植物たちに感じたのだった。見るかもしれない人に、少しは「スペース」が必要かもしれないと思い、それに相応しいタイトルをあれこれ思いめぐらしたのだが、なかなかピンとくる言葉が浮かばなかった。仕方なく、セカンドベストの感じが拭えないのだが、「花道」とつけてみた。