Visuwordsで遊ぶ

Visuwordsを試してみた。
Visuwords: online graphical dictionary
http://www.visuwords.com/

これはカナダはアルバータ州のカルガリ在住らしいPaul R. Dunnさんプリンストン大学(Princeton University)の有名なオープンソースのデータベースであるワードネット(WordNet)を基に、ビジュアル化ツールなどを組み合わせて(マッシュアップっていうのかな)作ったウェブ・サービスで、意味ネットワークのグラフィック表示が特色である。

Dunnさん本人の言葉では、「単語を調べてその意味や他の単語との結びつきや概念を見つけることができる。神経ネットワークを彷彿とさせる図形が表示される。単語同士のつながりを学習することができる。」登録不要、オンラインでどこからでも利用可能な辞書兼類義語辞典として、言葉選びが重要な職業の人や学生に非常に役に立つことを「売り」にしている。

例えば、"search"を入力して「調べる(look it up)」ボタンを押してみた。すると、こんな単語のネットワークが表示される。

ノード(結節点)とリンク(関係線)の色分けの意味はこうである。

なかなかよく出来ている。ノードをドラッグしたりしてしばらく眺めていると単語の多義性と類義性の全体像や単語の意味の包含、被包含関係に馴染むことができる。また、ノード(単語)にカーソルを合わせると、辞書的な意味が表示されるので、普通の辞書としても使える。忙しいユーザーには向かないかもしれないが、言葉の意味に興味のある暇な人なら遊びながら多くを学べると思う。

しかし、とひねくれた私は文句をつけたくなる。これは「英語」だけではないか。しかも「意味」や「概念」のレベルでの繋がりを標榜している割には、標準的な文法的品詞分類の一部(名詞、動詞、形容詞、副詞)や単純な集合関係に基づいた「結びつき(association)」しか考慮されていない。したがって、このレベルのネットワークでは、他の言語、例えば、日本語との関係、つまり「翻訳」を考えるには全く不十分である。もっと「噛み砕かれた」レベルにまで降下した意味のネットワークができれば、「自動翻訳」にも新しい光が当てられるのにと思う。夢かな。