十字架?

札幌、北の空は晴れ、南の空は厚い雲におおわれ、東西のそらは低い薄い雲が流れていた。気温は高い(多分2、3℃)が、時折湿った冷たい風が吹き付ける。耳が痺れてくる。昨日の強風、暴風で千切れた枯葉が散乱していたり、一段と融解が進んだ根雪から隠れていた小枝が出ていたり、千切れ剥がれた樹皮が落ちていたりした。青空の下、北側の雲を背にした藻岩山を撮ろうとするも、風太郎に引っ張られて、ピンぼけだった。

まだ正体不明の縄製のポットが庭の樹に吊り下げてあるお宅のその庭の隅に、以前から眼を惹かれていた蔓の絡まる使途不明のアルミ製の柱がある。十字架に見えた。

タンポポ公園の蝦夷の小林檎の樹の下は凄いことになっていた。よくもまあこれだけ食い散らかしたものだ。

肝心の樹を見上げると、実は二、三個しか残っていなかった。ゲストはいなかった。昨日はカラフルなシメに目を奪われて気づかなかったが、彼女(なんとなくメスだという気がした)はせっかく飛来したが、目当ての実がもうなくてこれからどうしようか半ば呆然としていたのかもしれない。あるいはフィアンセを待っていたのかもしれない。まあ、なんとでも言えるが…。実は上の宴の後の様子を間近で撮るべく歩道から雪が一段高くなっている公園の中に入ろうとして、滑ってこけた。その時首からぶらさげていたカメラのレンズが雪に触れたらしい。それで、水滴が写り込んでいる。

西の空、かなり低い位置を薄い雲が流れていた。

復路藻岩山を撮る。藻岩山が背にする雲のせいか、山の背後に回り込もうとする目が生じつつあるのを感じた。