「オンコ」はアイヌ語ではない

札幌、快晴。風少しあり。

藻岩山。今日から大学祭のため、講義、演習はすべてお休み。今朝小中高生たちの登校する姿を見ないなと思ったが、二学期制の狭間のお休みらしい。小学校も三学期制ではなくなったんだ。部活に向かうジャージ姿の中学生を数人見かける。

しばらく前から町内ではボケ木瓜, Japanese quince, Chaenomeles speciosa)の肉厚の白や薄いピンクの花をよく見かけるようになった。なぜか写真を撮る気にはならなかった。秋を味わう前から冬の予感に襲われるような気がしたからかもしれない。

フヨウの仲間では、まだ花をつけているムクゲの木が見られるが、他は終わった。と思ったら、あるお宅の玄関先に鉢植えのフヨウの仲間を見つける。葉も一部黄色になり、花は萎れかかっている。これはハイビスカス(Hibiscus, Hibiscus rosa-sinensis)だろうか。今頃になって夏を強く想う気持ちが生まれている。

別のお宅の庭の丸々とよく育った、直径10cm余りのリンゴ(Apples, Malus pumila var. domestica)の実に見とれた。

ふと横を見るとそこにイチイ(Japanese Yew, Taxus cuspidata)の実があった。甘く苦い味を思い出す。小さい頃からこの実を「オンコ」の実と呼んで育った。「オンコ」はアイヌ語由来なる説は誤りのようだ。アイヌ語ではこの実のことを「らルマニ(rarma-ni)」などといい、イチイの樹のことは「クネニ(ku-ne-ni)」(「弓になる木」)というらしい。「オンコ」そのものの由来は不明。別名「アララギ」は野蒜(のびる)の古名の転用らしい。オンコの文化的背景については、「スロー・アイランド焼尻島ぶらぶらある記」の「おんこのしおり」が参考になる。

樹によっては、ナナカマド(七竃, Rowan, Sorbus commixta)の実が大分色づいてきたように見えた。

タンポポ公園のエゾノコリンゴ蝦夷の小林檎)の樹に綺麗な実が数個なっていた。