不自由を自覚する自由

私たちは色んなことを自由に選択しているように見えて、じつは予めお膳立てされた選択肢の中から選択させられているに過ぎない、その意味で実は不自由なのだということを考えたことがあるでしょうか。本当の自由は選択しないことも含めた選択すること自体を選択できることなのだということを。そんなことは不可能だと諦めるのではなく、少なくともそのような自由に近づくために試行錯誤することが大切なのだということを。

現状認識といわれる自分の出発点の確認が大切なのは、そのようななかなか気づき難い自分が知らず知らずのうちに囚われている不自由さに少しずつ気づいてゆくプロセスなのではないかと思います。文字通りのゼロからの出発はありえません。つねに途上におけるやり直しが人生だと思います。そのやり直しの地点を深めてゆくことが、自分が不自由であることを知るという自由への道なのではないかと思います。

前回紹介したsimple Aで掲げられている理念「シンプル」の一番大切な意味は、皆もっと自由になろうよ、ということだとふと思いました。