情報デザイン論

エドワード・タフテ・アンソロジー

The Cognitive Style of Power Point: Pitching Out Corrupt Within, Second Edition(Graphics Press, 2006,asin:0961392150)裏表紙部分。ニューヨーク・タイムズの「データのレオナルド・ダ・ヴィンチ」という記事の見出しが見える。 タフテの公式サイト …

葦手

葦手(あしで)を見るたびに、千年も前にこんな「日本語のデザイン」がなされていたことに驚く。 伝藤原公任(ふじわらのきんとう)『葦手古今集切』(11世紀中頃、→ 拡大写真) 「の」と「や」の部分を拡大したもの。 「葦手(絵)」について、伝藤原公任の…

連綿体活字

古活字版(嵯峨本)光悦謡本『冨士太鼓』(早稲田大学図書館蔵、→ 拡大写真*1) 「嵯峨本」の連綿体活字はたしかにある意味で美しい。手書きでも、整版*2でもない。木で作った活字による印刷である。「嵯峨本」は日本における活字印刷による出版事業のはじま…

連綿

元永本『古今和歌集』(東京国立博物館, → 拡大写真) 元永本『古今和歌集『(e国宝, → 拡大写真) 元永本『古今和歌集』(文化遺産オンライン, → 拡大写真) これらはいわゆる「元永本」、現存最古の『古今和歌集』の完本である。日本の文字の歴史という観…

memento

ふと愛おしくなった20年ちかく毎日使っているやかん。見つめていると色んなことが思い出される。死期が迫ったとき、身近に置いておきたいと思うものは何かな?と学生たちと考えた場面を思い出した。きっかけは、ジョン前田が『シンプリシティの法則』で披露…

散らし

「寸松庵色紙 」(文化遺産オンライン) → 拡大写真 「継色紙 」(文化遺産オンライン) → 拡大写真 「升色紙」(文化遺産オンライン) → 拡大写真 日本語のデザインのお手本は、上に見られるような、文字組みに関わるひらがなの「連綿」とレイアウトに関わ…

日本語のデザイン

ギョッ。こんな幟(のぼり)が必要なのかな。目立ちゃいいというもんではないと思うんだけど。それに、どうせ作るなら、ハッと息をのむような「美しい」書体とレイアウトを工夫してほしいなあ。「日本語のデザイン」の歴史と基本を踏まえてさ。伝わりゃいい…

ワールド・モデル

今日は、今度は、どんな「世界」で行こうかな、といつも考える。歌舞伎の「世界定め」みたいなものだ。記憶のなかをまさぐって適当なワールド・モデルをあれこれ引っ張り出してきて、つぎはぎだらけの仮のモデルを想定する。土俵を設定する。筋書きをざっく…

フランス式アッカンベー

金沢英之氏撮影(オリジナル→ http://strassbourg.up.seesaa.net/image/P1000108.JPG) 「アッカンベー」部分拡大 「おならプー」部分拡大 金沢さんが知らせてくれたフランス中世のレリーフに見られる「アッカンベー」は、顔の表情と特徴的な掌の仕草にとど…

クリシュナはヨーグルトがお好き

日月眼を輝かせるクリシュナ神(19世紀のインド細密画部分*1) 講義終了後、ネパールからの留学生が携帯電話の待ち受け画面を嬉しそうに見せてくれた。なんと、壺のヨーグルトをかき混ぜるクリシュナだった。「アッカンベー」の起源の話にクリシュナ神が登場…

アッカンベーの由来

最上段:秋田県能代市の「べらぼう凧」*1、秋田県湯沢市の「まなぐ凧」*2二段目:豊国画 歌舞伎役者が見せる「天地眼」三段目:赤不動*3、青不動*4、黄不動*5四段目左三つ:現代版ヒンズー教のクリシュナ神*6四段目右端:中国神話における宇宙開闢の創世神で…

アッカンベーの研究

笑顔の実践と並行して、花咲か爺が秘かに進めている研究に、「アッカンベー」がある。人類が発明した様々な表情の「造形(デザイン)」の中で笑顔の対極に位置するのがアッカンベーという極めてダイナミックな表情である。笑顔の実践に深みを齎すためにも、…

ポール・ランド(Paul Rand, 1914–1996)

Paul-Rand.com :: American Modernist :: 1914-1996 ジョン前田のグラフィック・デザイン上の先生はポール・ランドでしたね。 ぼくがマサチューセッツ工科大学(MIT)に入学した1984年頃に、ちょうどコンピュータのグラフィックブームが始まり、プログラミン…

私の大学、見えないキャンパス

先日「ジョン前田がロードアイランド・デザイン・スクールの第16代学長に就任していた(2008年10月15日)」でも紹介した下のキャンパス・ツアーのビデオを学生たちと一緒に観た。 risd’s new president 普通、大学のキャンパスというと、外部から隔てられた…

人生VSOP?

ちょっと古いけど、「人生VSOP」という「人生訓」を知りました。 20年前に先輩から聞いた人生訓です。私は飲ベエなので、VSOPの話はすぐに頭のなかにインプットされました。40歳代半ばを過ぎて、改めて思い出しながら自分の人生を考えるきっかけにしたいと感…

迷子の迷子の子猫ちゃん

人生の一場面で途方に暮れる、迷子になることはよくある。そして人生という生きられる時空全体のなかで迷子になるということもある。だから、「人生訓」のような「人生地図」が役立つこともあるのだろう。混乱とか混迷と言われる複雑な状態のことを考えてい…

資料:情報デザインとしての地図

0過去資料 資料:地図・ダイアグラム(2007年10月21日) 資料:地下鉄路線図に見る情報デザイン(2007年10月16日) 1時間軸変形地図が示唆する情報デザインとしての地図(1)杉浦康平の時間軸変形地図*1 『idea アイデア』(2007年9月号)より (2)'Travel Ti…

驚きと笑顔

前田ジョンの『シンプリシティの法則』の「法則7:感情」には、「これはちょっと曖昧な法則じゃない?」という突っ込みをはじめ、読者からのコメントが殺到して、ジョンもきちんと応答しているけど(専用ブログhttp://lawsofsimplicity.com/about/の方でね…

信頼することでシンプルになれる

世界も人生もどうしようもないほどに複雑であることは百も承知の上で、世界と人生を理解するために、そして誰でも学習できるようにするために、それらをシンプルな形で表してみせること。それが情報デザインである。その根本に、信頼ということがある。決し…

ジョン前田がロードアイランド・デザイン・スクールの第16代学長に就任していた

ジョン前田が今年6月にアメリカきっての名門美術大学 Rhode Island School of Design (RISD)の第16代学長に就任していたことを初めて知りました。就任式は先月あったばかりとのこと。ロードアイランド・デザイン・スクールの概要はこちらで。 ロードアイラ…

普通の人のサバイバルのためのリアルアートという考え:前田ジョンの場合

John Maeda Design By Numbers―デジタル・メディアのデザイン技法作者: 前田ジョン,大野一生出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2001/03メディア: 大型本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見るMaeda Media作者: John Maeda,Nich…

情報の質から情報の解像度へ

原研哉著『デザインのデザイン』(岩波書店、2003年、asin:4000240056)は単なるデザインを情報デザインとして深く見直す試みとして読むことができます。ただし、私は『デザインのデザイン』を単に褒めるために書いているのではありません。その限界をはっき…

デザイナーの底力

原研哉さんを知っていますか。近年デザイン、情報デザインについて語る多くの人が必ずと言っていいほどその仕事や著作に言及するグラフィックデザイナーです。例えば、棚橋 弘季さんのブログを覗いて見て下さい。 DESIGN IT! w/LOVE 原研哉さんのプロフィー…

時間の編集

Andy Warhol, Empire (1964) 情報デザイン論受講生の皆さん、こんばんは。今日の第一回オリエンテーションはどうでしたか。情報デザインの核心だと私が考える「時間の編集」ということの感触はうっすらとでも残ったでしょうか。今日は『イメージフォーラム・…

情報デザイン論2007 第11回 物語と地図を持つ

1課題一部変更について 前回お知らせした最終課題について、一部変更があります。「1自画像および約20年の人生をベースにした人生地図、人生モデルのデザイン」から「自画像」を除くことにします。その理由は、ひとつには、2の課題にくらべて1の課題が重す…

情報デザイン論2007 第11回 物語と地図を持つ

さて、今回は「独自の物語と地図を持つ」という観点から、これまでやったことを総復習しながら整理します。自分の現状と展望を世の中の色んな局面との関係において前向きに物語ることができるようになり、自分の関心を他人にも分かりやすい「地図」として描…

情報デザイン論2007 資料:物語のマルチメディア地図としてのDanteworlds

テキサス大学でイタリア文学を教えるガイ・ラファ(Guy P. Raffa)が公開しているウェブサイトDanteworldsはダンテの『神曲』という物語を美しいイラスト、要を得た解説、そして音声サンプルによるマルチメディア地図として再現した試みとして興味深い。グラフ…

情報デザイン論2007 資料:Information R/evolution(情報革命/進化)のイメージ

http://youtube.com/watch?v=-4CV05HyAbM 本当は何が知りたいのか、ということも含めて、知りたいことを探す手段や過程はインターネット上の情報量の爆発的増加と検索等の各種サービスの登場によって、大きく様変わりしつつあることはすでに何度もお話した通…

情報デザイン論2007 資料:検索、支援、公開

深い分類はされていませんが、参考までに。検索 テキスト検索 Google ウェブ検索 hakia Swamii Brainboost Answer Engine Ask.com 百度 LookSmart's Furl memepool.comGoogle ブログ検索 del.icio.us テクノラティ(Technorati)ジャパンTagSight Pipes: tag…

情報デザイン論2007 第10回 やわらかい地図

前回お知らせした課題のうち、「1自画像および約20年の人生をベースにした人生地図、人生モデルのデザイン。」について、今回は、前回説明できなかった「自画像」課題の意図についてまず解説します。それから二番目の課題「2こんな地図があったら、面白い…