初転び、ヌルデのある土地が売れた

札幌、薄曇り。昨日にくらべ寒気は若干緩む。家の前の坂道ですってんころりん転倒する。いったん融けた雪が凍って薄い氷が張っていた。下手に態勢を立て直そうとせずに、素直に尻餅を着いて、そのまま数メートル斜面を滑降する。雪国育ちの人間が、たぶんスキー体験のなかで自然と身につける護身術である。風太郎が上から私の顔を覗いている。私はすぐに立ち上がり尻の辺りについた雪を払いながら、歩き始めた。厚手のベンチウォーマーを着ていたお陰もあって、どこも痛めなかった。

今朝の藻岩山(→ Mt. Moiwa, November 24th, 2007)。

植物たちの自然の「色」数がどんどん少なくなっていくについれて、残された「形」に目を奪われるようになってくる。

これはたしか空き地に咲いていた黄色い野菊の仲間だった。はっきりとは思い出せない。記録もない。

これは7月20日に種の数を数えたオダマキ苧環, Aquilegia)の鞘たち。

春から売りに出ていた、ヌルデ(白膠木, Rhus javanica)の樹がある四件の空き家が建ち並ぶ広い土地で整地工事が始まっていた。他人事ながら、とうとう売れたのかと思った。残念だったのは、なぜか気にかかっていたヌルデの木がすでに跡形もなかったことである。11月12日が最後の記録になった。あの場所にヌルデがあったという記憶にはどんな意味があるのだろうかと不図思った。喪失と破壊という意味か。工事現場を通りすぎるとき、思わずビデオ撮影した。


散歩後半の「色」のポイントである、ベニシタン(紅紫檀, Cotoneaster horizontalis)の実。濃いグリーンの葉はだいぶ落ちた。