さらば、石狩

厚田から札幌駅に向かう途中、石狩の佐藤水産に立ち寄った。海産物の土産物屋である。ハヤカーさんは何を思ったか、そこで大量の日高昆布を買い占めていた。昆布中毒なのかもしれない。夜毎日高昆布の磯の香りを嗅いでいる姿が目に浮かぶ。冗談はさておき、われわれは佐藤水産の大きな建物の裏手で、今回の旅の主役である石狩川に別れを告げた。神が親指で大地に美しく描いたとも伝えられる蛇行する旧石狩川の景観を思い浮かべながら。


札幌駅で、スーパー北斗22号を待つ間、われわれは、札幌味噌ラーメンに舌鼓を打ち、コーヒーを飲みながら、人生という幾筋もの川の入口と出口に触れるような会話を続けた。道中もずっとそうだった気がする。楽しかったよ、さようなら、ハヤカーさん。「さらば、石狩」