めんこいねえのおばあさん

今朝、本当にひさしぶりに、「めんこいねえのおばあさん」に会った。3ヶ月ぶりか。いや、調べてみたら最後に会ったのは4ヶ月前だった。

会うとかならず、「めんこいねえ、めんこいねえ」ともちろん私にではなく風太郎に声をかけて、優しく優しく頭を撫でてくれるおばあさん。風太郎は夏に体調を崩して以来、すっかり体力が落ちたせいで、散歩コースが短縮したために、おばあさんと会う機会がなかったのだった。

ところが今朝は風太郎は以前辿ったコースを行くと訴えた。しばらく行くと、前方から「フーちゃん、フーちゃん」と呼ぶ声がした。声の方を見やると、杖がわりにスキー用のストックをついてやってくる「めんこいねえのおばあさん」だった。その声に風太郎はすぐに反応して尻尾を振り始めたが、犬は嗅覚が優れている割には視力は極端に弱い。数メートルの距離まで近づいてようやく、めんこいねえのおばあさんだと識別できたようだった。

風太郎は鼻面をおばあさんの手に押し付けてちょっと甘える仕草を見せた。「しばらくぶりだねえ。元気だったかい。痩せたんじゃないかい。ちゃんと食べるんだよ」おばあさんは満面の笑顔で風太郎を受け止めていた。

なんだかんだ言って、私の住む町内には、私など足下にも及ばない笑顔の素敵な「花咲か人」がたくさんいるのです。


これは今年の3月4日に撮影した写真。