音符と庵点

Part alternation mark

最近ウェブや電子メールで文末に音符「♪」を添える例をよく見かけるようになった。歌い出したくなるような嬉しい気持ちや楽しい気持ちを伝えようとする工夫であることは一目見て分かる。

実は現代の散文では、音符は歌記号として使われてきた。引用した歌詞の冒頭に音符を配置して、歌詞を地の文章から区別、区分するためである。文字の中では歌記号は約物に入る。古くは、あるいは現代でも謡曲本では、庵点(いおりてん)と呼ばれる山が二つ連なった形の歌記号「〽 」が使われてきた。ところが、コンピュータ上では庵点文字コード規格JIS X 0208に含まれなかったために、「♪」を歌記号として用いることが一般化したのである。

この庵点の伸び伸びとしたユーモラスな姿が何とも言えず、大好きだ。

ちょっと気になっているのは、この庵点こそが「始めカギ括弧」のルーツらしいということである。

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