小カギの消息


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府川充男氏が大カギと小カギの遣い分けルールを記した例外的なマニュアルとして挙げていた日本エディタースクールの『標準 校正必携』の「第七版 電算植字対応版」(2006年)に目を通した。

名前の通り、「校正」に必要な標準的な知識がコンパクトにまとめられている。目次を眺めていると校正の世界の輪郭がつかめる。便宜的に本書にはない番号を振る。

まえがき
01 全音訓/五十音順 常用漢字表 付 旧字体
02 常用漢字表付表
03 常用漢字表前文
04 当用漢字字体表まえがき
05 常用漢字の新・旧字体一覧
06 [付表]活字として従来二種以上の形のあった中から一を採ったもの
07 人名用漢字表 付 人名漢字に使える旧字体
08 教育漢字学年別配当表
09 「異字同訓」の漢字の用法
10 同音の漢字による書きかえ
11 誤りやすい漢字の例
12 書き誤りやすい熟語の例(誤字使用の例)
13 紛れやすい同音の熟語の例(別語誤用の例)
14 JIS漢字表 部首別一覧
15 JIS漢字異体字・代用字一覧表

16 現代仮名遣い
17 現代仮名遣いと歴史的仮名遣いの対照表
18 改定現代仮名遣い(国語審議会答申)前文
19 誤りやすい仮名遣い・現代仮名遣いの要領
20 くり返し符号の使い方
21 送り仮名の付け方
22 「旧送りがな法」と「送り仮名法」の異同表
23 国語かなづかい表(歴史的かなづかい)
24 字音かなづかい表(歴史的かなづかい)
25 代名詞その他でかな書きが望ましい語の一覧表

26 縦組における数詞表記の基準
27 組方原則および調整
28 ルビの組方および調整
29 校正の作業順序と要請

30 縦組の校正記号
31 縦組の校正例
32 校正記号(日本工業規格
33 横組の校正例
34 横組の校正記号

35 外来語の表記
36 ローマ字のつづり方
37 約物・記号・符号(非漢字)の名称(付、JISコード)
38 ポイント・級数換算表 付 紙加工仕上寸法ほか
39 文字の書体と大きさ

40 欧文の略語
41 欧文の語の分割法
42 横組の資料
43 横組の数字の表記法
44 数式・化学式の組方

「27 組方原則および調整」に小カギの用法についてごく簡単に記されている。

このように「小カギを用いることがある」という「弱い」記述である。小カギのルーツはどこにあるのか。ちょっと気になり出した。