谷口昌良 写真展「写真少年 – 1973〜1979 –」

谷口昌良(たにぐち あきよし)? 知らない写真家だなあ。蒼穹舎のギャラリー? 知らない。どうしてこんな案内が届いたのだろう? 蒼穹舎ウェブサイトのギャラリーを覗いてみたら、「谷口昌良/空蓮房住職」とあるではないか。あ、あの空蓮房の房主の谷口さんか、と腑に落ちた。昨年春に蔵前にある空蓮房を訪ねたのだった。

そこでも書いたように、谷口昌良氏は、寺(東京都台東区蔵前の長応院)の長男として生まれながら、ニューヨークのスクール・オブ・ヴィジュアルアーツで写真を学んだという面白い経歴の持ち主で、帰国後寺の仕事を継ぎながらも、現代の芸術と仏教の関係を考える画期的な場所として本堂(空蓮房)にギャラリーを作っちゃった人である。「ミゲル・リオ=ブランコ展」をはじめ、「写真供養」などの興味深いイベントに意欲的に取り組んでいる。そんな谷口昌良氏が自ら写真展「写真少年– 1973〜1979 –」を開催することになって、知らせてくれたのだった。思いがけず、嬉しかった。開催期間は13日から26日まで。残念ながら、行けそうもない。せめて写真集を手に入れようと思う。ちなみに、写真展の英語名は、ピカソを連想させる「The Blue Period」である。写真少年だった「青い時代」の個人的な記録が公開されることは、自分の「少年時代の供養」であると同時に「写真供養」のひとつの形であるとの思いが谷口昌良氏にはあるのかもしれない。