A平さん


今朝の散歩では、先日A平さんちで撮ったゼフィランサス(サフランモドキ, Zephyranthes carinataなどの写真をA平さんに届けた。こちらが恐縮するほど喜ばれ、感謝された。「いつもただで撮らせてもらってるお礼ですから、気になさらないでください」「いやあ、そうかい、、。そうだ、いつでも庭の中に入って自由に写真を撮ってくれて構わないよ」「どうもありがとうございます」一瞬、以前一度中に招き入れられて丁寧に紹介された庭を埋める珍しい植物たちの魅力的な姿が脳裏を掠めた。しかし、そうは言ってもおいそれと主のいない庭に入るのは気が引ける。

A平さんちの前を通ると、生け垣の隙間から庭仕事をするAさんの姿が垣間見えるか、さもなければ、一仕事終えて居間でくつろぐA平さんの横顔が見える。私に気づくとA平さんは頭を下げたり、手を振ったりして、合図を送ってくれる。今朝もそうだった。玄関に近づいたらすぐに気づいて、飛び出してきた。A平さんは毎朝、数えきれないほどほどたくさんの大小の鉢植えやバスケットボールくらいの大きさの「軽石植え」(?)の世話をしている。その一部は庭をはみ出して、お宅の軒下を一周ぐるりと取り囲むように置かれている。鉢植えは家の内部にもかなり進出している様子である。「緑の家」。どこかパトリック・ブランの「熱帯雨林化した」自宅を連想させる。「これだけあるとお世話が大変ですね」と言うと、「なあに、水やりだけだよ。他にすることもないし、好きだしね、全然苦にならないよ」と笑顔で答えてくれた。