苅谷さん、語る




苅谷さんは三つ目のペースメーカーを植え込む手術を予定していたが、心臓の調子がよくなり、27日から一週間検査入院するものの、手術はしなくてすむかもしれないという。今夏の暑さが俺にはあってるのかもしれないな、と言って笑った。たしかに顔色もいい。入院中は禁煙なので、今から体を慣らしておくために休煙しているという。禁酒はしていない。煙草と言えば、と言って、苅谷さんは煙草にまつわる子供の頃の想い出話をきかせてくれた。煙草が配給制だった頃の話である。未成年だった自分たちには当然配給は当たらなかったから、どうしたかというと、ヨモギやイタドリの葉を刻んでキセルで吸ったという。ひどく辛かったそうだ。畑の野菜の収穫について尋ねた。今年は去年よりも不作だと言う。トウモロコシはアブラムシにやられたが、生存競争みたいなもんだから仕方がないといって笑った。トマトの生長もかんばしくなかったという。残るはジャガイモだが、先日の雨のせいで、二次成長してしまうことをちょっと心配していた。いつもながら、やるべきことはやって、後はなるようにしかならん、といって笑う。それが苅谷さんらしいところである。