展望のために1

そもそも日本列島に居る限り、地震と共存する文化というものを確立しなければならない。

 石橋克彦「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」(衆議院予算委員会公聴会、2005年2月23日)

2011年3月11日は、日本にとって、明治維新、太平洋戦争敗戦に次ぐ、歴史的な「第3のリセット」の日となる。もはや過去の体制には戻れないし、戻ってはならない。震災による数多くの犠牲はもとより、福島原発事故という「人災」が私たちに与えたとてつもない恐怖や今後長い年月にわたって向き合わなければならない放射能汚染という厄災を捨て石にしてはならない。

3.11後のエネルギー政策・原子力政策は、人心を一新した上で、日本国民が未来に希望を持つことができるものを築きあげてゆかなければならない。このペーパーは、その第1弾として皆さんに問いかけるものである。

 「3.11後のエネルギー戦略ペーパー」No.1「無計画停電」から「戦略的エネルギーシフト」へ(環境エネルギー政策研究所 所長 飯田哲也、主席研究員 松原弘直)

よって、当連合会は、現下の緊急事態に鑑み、地域住民と広く国民の生命と健康、安全と安心を守る立場から、関係機関に対し、早急に以下の措置を講じるよう強く求める。

(1) 原子力災害対策本部は、福島第一原子力発電所事故の現状及び今後想定されるあらゆる事態、並びに、各地の放射能汚染の実情と被曝による長期的なリスクに関する情報、被曝防護に関する情報を正確かつ迅速に国民に提供し、適切な範囲の住民を速やかに避難させること。

(2) 国及び東京電力は、今回の事故により避難及び屋内待避の指示を受けた住民等に対し十分な支援及び被害補償を行うこと。

(3) 国、電力会社その他原子力関係機関は、二度とこのような原子力発電所事故を繰り返さないために、原子力発電所の新増設を停止し、既存の原子力発電所については、電力需給を勘案しつつ、危険性の高いものから段階的に停止すること。

 日本弁護士連合会会長宇都宮健児「東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故に関する会長声明(会長声明集 Subject:2011-3-25)