ジョナス・メカスの4月16日の日記にアップされたビデオ・レター。陽光のなかで桜の花と樺の花が風に揺れる。ブルックリンの春を謳歌するメカス。道端の石を「美しい」と愛でる。「この美しい惑星、母なる地球」と呟く。「日本」にも「福島」にも直接の言及はないが、地球上のどこにいようが、どこかで起こったことは他人事でないのはいうまでもない。ところで彼はある本を読んでいたという。環境思想家・活動家として著名なレスター・R・ブラウン(Lester Russell Brown, born 1934)の『崖っぷちの世界』(World on the edge, 2011, asin:0393339491)。すでに World off the edge、「世界は崖から落っこちてしまっている」という気がしないでもないが、しかし「慌てるな」とメカスは言う。たしかに今更慌てても仕方がない。それぞれの持ち場で持ち場からやるべきことやれることはたくさんある。メカスは「友よ」と呼びかける。