from the riverbed










豊平川(Toyohira river)



バイキング1号が撮影した火星(1980年2月22日)


すっかり干上がった河床を歩く。生命の痕跡のない火星の表面に似ていると感じる場所もある。アボリジニの神話が語る「夢の時(Dream Time)」、つまり始原の時を思い出す。意識や歴史が、総じて現実が、「夢の時」の劣化プロセスに陥りがちだとすれば、夢のなかに目覚めつづける戦いを避けることはできないなどと思ったりもする。古来多くの放浪者(vagavond)が何かに導かれるように夢見て、そこに帰還しようとした場所ならぬ場所(Dream Landscape)、つまり生の原風景は、人間はもちろん、生命さえ寄せ付けないほどに空しく荒涼とした美しい風景であったに違いない。