幣舞橋の月




釧路

釧路 くしろ

 道東の有名な市名、川名、地方名。「くしろ」は明治になってからの音で、それまではクスリ、クシュリ、クスルのように呼ばれ、漢字になっても久摺、久寿里、久須里等の字が使われたのであった。(中略)知里博士は、昔からクスリと呼んだことは確かだが、意味は全く分かりませんねといっておられた。(後略)

  山田秀三『北海道の地名』北海道新聞社、1984年、266~267頁

幣舞 ぬさまい

 現在の釧路市街の中心部の橋名、旧釧路川東岸の地名。ヌサマイ←ヌサ・オマ・イ(nusa-oma-i 幣場・ある・処)の意。ヌサは、神祭りのための木幣(イナウ)を立て並べた幣場で、あの丘の上にその祭りの場所があって、たぶん海の幸を祈った処であったろう。

  山田秀三『北海道の地名』北海道新聞社、1984年、267頁