2010-09-21から1日間の記事一覧

辺見庸・アンソロジー

*1 記憶というものを、私たちはなめてかかっていると思う。五十年前とは、かなり多くの人びとにとって、昨日なのだ。(辺見庸「ある日あの記憶を殺しに」、『もの食う人びと』角川文庫、1994年、335頁) 例によって、この辺で、こつこつ書いてきた辺見庸関連…

美しく復讐すること:金石範の場合

ジョナス・メカスの場合だけでなく、自分を含めて誰にとっても、生きることは失われた故郷への遠回りの旅、決してそこには辿り着けない旅だという思いに随分前から取り憑かれている。最近何本かの関心の線が交差したあたりに、済州島四・三事件、そして金石…