シリコンバレーの新しい思想・哲学

梅田さんが歴史に残るべきシリコンバレーの新しい思想・哲学のコアを探りあてようとしています。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20060718

「一九七五年から二〇二五年までの半世紀」を代表する、百年先の未来にも生き残る新しい思想・哲学は、今ここで生まれているのか。シリコンバレー生活十二年目の私の知的好奇心は、どうやらこの一点に集約されつつある。

http://book.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u118.html
しかし、歴史に残るような新しい思想ではなく、歴史を書き換えることに繋がるような新しい実践が次々と連打されているように私には思えます。私が『ウェブ進化論』に衝撃を受けたのもその点でした。言い換えれば、かつて人間社会の理想、理念として掲げられたいくつかの思想が、今やようやく、ついにネット社会で実現されつつある、その事こそが重要なのではないでしょうか。ですから、例えば梅田さんが「補助線」を引くように言及するインテル共同創業者のアンディ・グローブの「Only the Paranoid Survive」(極度の心配性だけが生き残る)という思想はある状況における行動規範にはなりえても、「生き残る」ことが至上の価値とは思えない私にはとても「思想」とは思えません。むしろ、従来の「歴史」とか「思想」の捉え方そのものをも根底から変えるような「大変化」が起こりつつあるのだという示唆を私は梅田さんの『ウェブ進化論』やブログの記事や他の論考から強く感じ取ってきました。致命的に誤読してきたのかもしれませんが。