檻の中の人生:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、11日目。


Day 11: Jonas Mekas


Thursday Jan. 11th, 2007 5 min. 22 sec.

A visit to the
prison in which
Jean Genet spent
time. I tell
how I smuggled
into the States
Genet's film, UN
CHANT D'AMOUR
.

ジャン・ジュネ (19l0-1986)が収監されていた巴里の中央刑務所を車で訪れるメカス。ジュネ唯一の映画『愛の歌(UN CHANT D'AMOUR)』をどうやって合衆国、ニューヨークにこっそり持ち込んだかか楽しそうに語る。(上のUN CHANT D'AMOURのリンク先で25分、259MBのムービーを観ることができる)。

あたかも、まだそこにジュネがいるかのように、たしかに、ジュネの大半の作品を生んだ精神は刑務所とともにあると言えるかもしれないが、メカスはまだそこに住む魂を肌で感じてさえいるかのようだ。最後には刑務所の塀に沿った歩道でワインのボトルを開け、ジュネに向かって乾杯する。「檻の中の人生に!」
***

言葉は実在の表現ではなく、実在への「距離」そのものであることは、文学とは彫刻でいえば、木や石や金属が彫られ、刻まれて、出る「屑」に相当する、ということを自覚した文学者ジュネが彫刻家ジャコメッティのアトリエを訪ねたのは正しかった。
アルベルト・ジャコメッティのアトリエ