アイスキャンドル

札幌。晴れ。無風。体感気温零下3℃(勘)。散歩に家を出たとたん、カラスたちの呼びかけ合うような声に包まれる。藻岩山の上には雲が棚引いていた。スキー日和だな、と一瞬思う。

目を凝らすと藻岩山南斜面中腹のゲレンデにごま粒のように人影が見える。目一杯ズームしてみた。一杯いる。スキー講習の集団のようだ。ゲレンデスキーからはすっかり遠ざかっている。キンキンに冷え込みリフトに乗っている間に凍えてしまう夜間スキーにでも行ってみようかとふと思う。あのアイスバーンに近い固く締まった雪をエッジングして(切って)滑る感覚は忘れられない。

ちょっとユーモラスな光景。

水と重力と熱の戯れ。


落雪が隣家の土地に及ばないように設置されたフェンス。

散歩復路、歩道脇の雪の棚には多彩なアイスキャンドルがずらりと並んでいた。藻岩小学校の生徒さんたちの手作りの作品らしい。氷のグラスの中に思い思いにペイントされたペットボトルの筒が入っている。作っている様子が目に浮かぶようだ。






夕方火が灯るころに散歩がてら見に来よう。

自宅の裏山ではカラスたちがまだなにやら呼びかけ合っていた。

カラスの、多分ハシブトガラスの濁声(ハシボソガラスの声は比較的澄んでいるらしい)に混じって、ソプラノで歌うような可愛らしい声が聴こえた。ジュウシマツのようだ。声は写真に撮れないので、ビデオに切り替えて8秒間撮影録音した。(ソプラノが聴き取れますか。)

鳥の、動物の声を「聴く」ということは何を聴いていることなのだろうか、といつも思う。あれは〜の合図だとか、呼びかけあっているのだとかいう説明では捉え切れない、全く違う何かを私は聴いているのは確かである。巧く言えないが、私の音声言語的記憶の限界、境界に耳を澄ましているような、そんな感じ。