Camargue, Provence:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、6月、155日目。


Day 155: Jonas Mekas
Monday June 4th, 2007
6 min. 56 sec.

In Camargue
South France
I visit my friend
Guerero and his
sisters (restaurant
Chez Bob)

南フランスの
カマルグに
友人のゲレロと
彼の姉妹を訪ねる
(レストラン・シェ・ボブ)

現在の国民国家的な行政区分に従えば、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏のブーシュ=デュ=ローヌ県のアルル郡のアルル市とサント=マリー=ド=ラ=メール市にまたがる土地。プロヴァンスカマルグ。言語的にも文化的にも地誌的にも生物相的にも境界線上に位置する興味深い土地。稲作、白い馬、塩、ピンク・フラミンゴ等で有名な土地。中世の吟遊詩人トルバドゥール(Troubadours)が駆使したプロヴァンス語オック語)が脈々と息づく土地。

メカスはそんな土地の気どらないレストランで、友人ゲレロとグラス一杯に注いだ赤ワインを一滴も零さずに飲むゲームに興じたり、彼のお姉さんとチークダンスを踊ったりする。息子のセバスチャンも踊っている。「プロヴァンス」と書かれたポスターが一瞬クローズアップされたのが印象的だ。フランスとは思えない。スペインかイタリアの田舎を連想する。偶然だろか、店内に突然フラメンコの曲が流れる。

何て言ったらいいのだろう。人々が「自然に」生きている。歪みや緊張がない。心底人生を楽しんでいる。そう見える。そういうシーンしか撮らないのがメカスの流儀であることが分かっていても、見ていると、こちらも思わず微笑み、心が温かく弾む。