ジョナス・メカスによる365日映画、7月、198日目。
Day 198: Jonas Mekas
Tuesday July 17th, 2007
6 min. 57 sec.
Harry Stendhal and
Maya Stendhal
ready to open a new
show with works of
Hans Richter, Eggeling,
Paula Scher and
Jonas Mekas (Maya
Stendhal Gallery)
ハリー・スタンダールと
マヤ・スタンダールは
新しい展示会開催の準備をしている。
作品はハンス・リヒター(1888-1976)、エッゲリング(1880-1925)、
ポーラ・シェア(1948-)、そして
ジョナス・メカス。
(マヤ・スタンダール・ギャラリーで)
どんな企画もその準備段階が一番面白い、ワクワクする時間かもしれない。メカスはそんな新しい展示会開催準備中のマヤ・スタンダール・ギャラリーの会場で、まるで子どものようにカメラを回す。ちょっと迷惑顔の慌ただしく動き回るハリー、作品を搬入したり、セッティングの打ち合わせをするスタッフたちの様子。そしてもちろんすでに壁に掛けられた作品や資料の数々を花から花へと飛び移る蜂か蝶のようにメカスはパッ、パッ、と撮り続ける。そしてリヒターの映画の試写の場面で終わる。
新しい展示会には、ハンス・リヒター(Hans Richter, 1888-1976)、ヴィキング・エッゲリング (Viking Eggeling, 1880-1925)、ポーラ・シェア(1948-)の作品と並んで、メカス(Jonas Mekas, )自身のビデオと写真の作品も展示されている。Maya
Stendhal Galleryのホームページを見ると、メカスのコーナーは「"Birth of a Nature" Installation by Jonas Mekas」と銘打たれている。「自然の誕生」とは意味深である。
メカスのコーナーは、ひとつの壁に四つの大きな液晶モニターが掛けられ、それぞれに違う映像作品が流されている。もうひとつの壁には、フィルムのコマを焼き付けた写真が縦に5列、横に少なくとも7列、長方形に並べられていて、全体として一種のコラージュ作品になっている。各写真はメカスの映像作品への索引になっていると同時に、写真どうしもまた相互に人生の記憶を織りなすハイパー・リンクを構成しているのだろう。
ベルリン出身のリヒターもスウェーデン出身のエッゲリングも1910年代、第一次大戦期のダダイズム(チューリッヒ・ダダ)の立役者であり、キャリアとしては画家からスタートして実験的な映像制作に進んだ。アイオワ大学図書館の国際ダダ・アーカイヴのデジタル・ダダ・ライブラリーでリヒター、エッゲリングをはじめ、錚々たる顔ぶれのダダイストたちの当時のテクストや作品を見ることができる。映像作品については、YouTubeで20年代のリヒターの作品、エッゲリングの作品をいくつか見ることができる。
ポーラ・シェアは現在第一線で活躍するアメリカでは最も有名なデザイナーの一人である。Google Image Searchで彼女の作品を網羅的に見ることができる。また、hillmancurtis, incのFilm&Videoで、ポーラ・シェアが自作デザインについて解説するドキュメンタリービデオ、A documentary on the designer Paula Scherを見ることができる。