ルナリア、野茨

札幌、晴れ。暑い。昨日までの風は収まる。

藻岩山。蝉の声が小さい。なぜかテンションが落ちているようだ。代わりのように、ヒヨドリのけたたましいさえずりが耳についた。

見覚えがあるようなないような、でも間近に見るとその葉のようにも見える果実の造形にハッとする。

アブラナ科ルナリア(lunaria annua)、 和名には、ゴウダソウ(合田草),ギンセンソウ(銀扇草),ギンカソウ(銀貨草),オオバンソウ(大判草)がある。英名にも、honesty, silver dollar, penny flower, common moonwort, satinflower, satinpod, money plantと同様の名がある。

初めて見るノイバラ(野茨, Rosa multiflora)。近所のお家の大きな庭に植えられている。「花はあんまり綺麗じゃないんだけどねえ。葉が気に入ってるんだ」とはご主人の弁。しかし、こういう原種の姿にはどこかホッとさせるところがあるし、きっと面白い「歴史」がある、と思って調べたらやっぱりあった。ウィキペディアによれば、

果実は営実(エイジツ)と称し寫下薬、利尿薬になり、日本薬局方にも記載されている。また、バラの園芸品種に房咲き性をもたらした原種であり、日本では接ぎ木の台木に使用される。
古くはうまらと呼ばれ万葉集にも歌われている。
道の辺の うまらの末(うれ)に 這(は)ほ豆の からまる君を はなれか行かむ
丈部鳥(はせつかべのとり)  巻二十 4352


トウモロコシは驚くべきペースで生長を続け、

アスパラガスは、なんと丈1メートル近くになっていた。

これは今まで苧環オダマキ)と混同していた花である。

こんな葉の出方をしている。未同定。

この50センチくらいの丈の木にぶら下がるピンクの釣り鐘状の花は、これから開くのだろうか。未同定。

これは遠くからその天に勢いよく伸びる枝が目に飛び込んできた。小さな黄色い花をつけている。未同定。重力に逆らわない造形と思い切り逆らうような造形を続けざまに見て、植物たちの造形の妙に改めて感じ入った。