ジョナス・メカスによる365日映画、11月3日、307日目。
Day 307: Jonas Mekas
Saturday, November 3rd, 2007
4:22 min.
Oona and Sebastian
rehearse Haydn --
long ago -- Happy
Birthday to Oona!
ウナとセバスチャンが
ハイドンの下稽古。
ずっと前のこと。
誕生日おめでとう、ウナ!
バイオリンの稽古をする二人の子供を背後から見守るメカス。今日これからコンサートでもあるのだろう。ウナはまだ部屋着姿だが、セバスチャンはワイシャツにネクタイ姿だ。セバスチャンは15歳くらいに見える。81年生まれだから、96年頃の映像か。姉のウナは74年生まれだから22歳くらい。姉が完全にイニシアチブを握っていて、弟は半ば言いなり。姉はカメラを完全に無視し、弟はちらりとカメラの方を振り向く。場所はメカスがソーホー時代に住んでいたロフト。かなり広い、でも細長い廊下のような部屋。片側の壁は一面本棚で、反対側の壁には沢山の写真やポスターが飾られている。正面の二つの大きな窓からは外光がふんだんに入り、木の床を照らしている。メカスは一度カメラを自分の顔に向けて、頷く。メカスもまだ若い。
場面は替わり、カメラに向かってウナが微笑み続けている。「オーケー」と言った後、メカスはウナを直視するのを避けるかのようにちょっと落ち着きなく周囲にカメラを向ける。場所はイースト・ヴィレッジにある庶民的な風情のフレンチ・レストランのルシアン(Lucien)のように見えるが、違うかもしれない。セバスチャンの姿は見えない。メカスは窓の外に停車する白い大型トラックに何度もカメラを向ける。それから、テーブルの上に生けられた白いコスモス。グラス。店内の他の客。娘が丁寧にグラスに注いだ白ワインで乾杯する父と娘。メカスは一度だけ自分の顔にカメラを向ける。最近の顔だ。でもウナはとても若く、まだ20代に見える。
最後に、メカスによる可愛らしい手書きのメッセージが映る。"Happy B'Day, Oona!"
ウナ・メカス(Oona Mekas, 1974-)はホリス・メルトン(Hollis Melton)との間に生まれたジョナス・メカスの長女。女優、バイオリン奏者、児童文学者、ヨガ・インストラクター、そしてアンソロジー・フィルム・アーカイヴズの理事の一人でもある。詳細は彼女の公式サイトoona mekasで。
今日のフィルムに登場するソーホー時代にメカスが住んでいたロフトの古い写真がこちらで見られる。まだ二、三歳の頃のウナが小さく写っている。