Jonas Mekas Visual Arts Center opens:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、11月17日、321日目。


Day 321: Jonas Mekas
Saturday, November 17th, 2007
15:22 min.

Jonas Mekas Visual
Arts Center opens in
Vilnius ---

ジョナス・メカス視覚芸術センター
がヴィリニュスに
オープンした

ジョナス・メカス視覚芸術センター(Jonas Mekas Visual Arts Center)のリトアニア語名は"Jono Meko vizualiųјų menų centras"、略して"JMVMC"。"JΙMΙVΙMΙC"がロゴタイプ

字幕「11月4日、ヴィリニュスにて」

薄暗いヴィリニュスの旧市街の通りを車で行く。曇天。寒々しい印象。交通量は極端に少ない。早朝なのだろうか。対向車はヘッドライトを点灯している。初めて聴く若い女性ボーカルの曲が大音量でかかっている。暗い情念が渦巻くような歌声。運転するのは昨日大統領宮殿に列席していた男性。メカスとはリトアニア語で会話している。後部座席にはセバスチャンとベン。

ギャラリーの一室で展示作品の準備をするスタッフたちの様子。金槌で釘を打つ音が響く。「アンソロジーがオープンしたときも同じだったなあ」とメカス。

字幕「11月4日、ヴィリニュスにて」

夕方、ガラス張りの建物の前の歩道に若い女性三人が立つ。みな同じ帽子を被っている。メカスがいつも被っているソフト帽のように見える。カメラが帽子にクローズアップする。"JΙMΙVΙMΙC"とロゴが入っている。

オープニング・セレモニーで挨拶するメカス。スーツ組がずらりと並んでいる。リトアニアがヨーロッパのみならず世界に開かれる転機となるセンターの意義について述べ、センター創設に尽力してくれたヴィリニュス前市長夫妻のアルトゥーラス・ツォーカス(Arturas Zuokas)、クリスチオーナス・ツォーカス、そしてマチューナスの膨大な作品の展示に多大な貢献をしてくれたマヤ・スタンダール・ギャラリー(Maya Stendhal Gallery)の共同経営者であるマヤ・スタンダールハリー・スタンダール(Harry Stendhal)姉弟を紹介する。

大勢の報道カメラマンが押し寄せる会場入口で巨大なハサミでテープカットならぬ「フィルムカット」の儀式に臨むメカス。「センターは今、オープンしました。生まれました。」とアナウンスが流れる。

パーティー真っ最中の参列者でごった返すギャラリー会場。人ごみを縫うようにして歩き回り、女性の一団と記念撮影するメカス。

シゲコ・クボタ(Shigeko Kubota)が熱弁を奮う。(来ていたのか。)「小国リトアニアからやってきた二人の青年がニューヨークの文化を変えたのよ。分かる?フィルム・ジャーナル、ヴィレッジ・ボイス、アヴァンギャルド・フィルム、コンセプチュアル・アート、ムービー、ハプニング、ジョージ・マチューナス、フルクサス、ソーホー。ニューヨークの文化すべてを変えたのよ。今ニューヨークにはジョージ・マチューナス・ストリート、ジョナス・メカス・フィルム・ストリートがあるのよ。びっくりでしょう。とにかく、おめでとう。リトアニアから来た二人の青年を私は忘れない。」センター内のカフェのようだ。メカスは大きな窓越しに見えるハイウェイにカメラを向ける。隣のテーブルではオーグスト・バルカリス(Auguste Varkalis)が誰かに向かって熱弁をふるっている姿が見える。

11月10日のベン・ヴォーチェによるパフォーマンスは「この後」行われたのだろう。