ジョナス・メカスによる365日映画、9月19日、262日目。
Day 262: Jonas Mekas
Wednesday, September 19th, 2007
3:28 min.
no, never enough
of Venice!
ヴェニスはもうこれで十分ということは
けっしてない!
アコーディオンの甘く切ない調べ(曲名が思い出せない)。ヴェニスの運河を行くゴンドラ。まだ幼い頃の娘ウナ(Oona Mekas, 1974-)と息子セバスチャン(Sebastian, 1981-)と一緒に、流しのアコーディオン弾きがニーノ・ロータのロメオとジュリエットを情感たっぷりに奏でる夜のオープン・カフェにいるメカス。7月20日の映像と同じ時期だ。ウナは演奏に聞き惚れ、セバスチャンはガイドブックらしき本に目を落としている。カフェと通りを隔てる衝立に飾られた観葉植物。暗い通り。暗い運河を行くゴンドラ。
メカスにとっては幼い子どもたちと過ごした水の都ヴェニスの記録はまだまだ十分ではないようだ。ヴェニスは浅い潟の中に約150の運河によって形成された118の小島からなる群島の上に築かれている。高密度の群島、アーキペラゴである。運河には大小の無数の橋がかかり、地上には路地が迷路のように巡っている。惹かれないわけにはいかない土地である。